動物の歯は「噛む」という、いわば力仕事を請け負う部分になってきます。

したがってインプラントを長持ちさせるためには、余計な力がかからないようにコントロールすることが大切になってきます。普段わたしたちが何気なく噛んでいるのを食べているわたしたちの歯には、一体どれくらいの力が加わっているのでしょうか。

歯に力を入れて上下の歯をかみ合わせてみてください。このとき、だいたい体重と同じくらいの力で噛んでいるといわれています。つまり成人なら最低でも50〜60キロくらいの荷重がかかってきます。この重さは28本全ての歯に分散されるわけではなく、主に奥歯16本で負担するようにできています。すると単純計算すれば、歯一本が約4キロずつ負担することになります。ちょっとした手荷物くらいの重さです。


あの小さな歯に意外と大きな負荷がかかっていることが分かると思います。ですから、奥歯には2〜3本の根があり、骨にがっちり支えているわけです。歯には上下方向に圧力がかかるわけではなく、横に倒そうとする力が加わります。それでは次に歯の形を見てみてください。

上顎の前歯から6番目にある第一大臼歯では、基本的に頬側に2つ・舌側に2つ高い山があって、その間は深い谷間になっています。
これと噛み合う下顎の第一大臼歯は、同じように頬側と舌側に2つずつの山があり、それぞれの山谷が噛みあって初めて機能します。上下の歯が噛み込んでいく方向は単純な上下運動だけではなく、山の斜面に沿うように左右にスライドする動きが加わります。

わたしたちの口の中にはカンジダという一般には聞き慣れないカビは、口内炎の原因菌としてかなり古くに発見されました。カンジダは人体の常在菌のひとつで、口腔内の他、皮膚や腸などさまざまな場所に住んでいます。

食事のときに口の中に増えた歯の細菌は、通常は唾液によって洗い流されて、食道を通って胃に送られ、たいていの菌は胃酸に溶かされてしまいます。もし、それが誤って気管のほうへ入っていってしまいますと肺炎を発生する危険性が生じます。

菌血症といって血液中に細菌が混入することですが、健康な人にはほとんど無害です。しかしながら、免疫力の低下した病人や高齢者ではしばしば全身に炎症を引き起こす敗血症へと進んでしまうことがあります。敗血症になると、具体的には、悪寒や発熱な、意識障害、嘔吐などの症状が現れます。


敗血症ショックとは、分かりやすくいえば、血管が広がるのに、中を流れる血液の循環量が不足するために生じるショック状態になります。口腔内細菌が、口の中の障害にとどまらず、全身疾患に深く関係しており、重病な症状を引き起こす恐れがありました。
こういった細菌を予防するには、日ごろ歯に関心を持つべきです。もちろん常に歯のことばかり考えられませんので自分の習慣として行えば大丈夫です。普段は3回毎日歯を磨くことを心がけていればかまいません。